夜市

2006年2月9日 読書
日本ホラー小説大賞受賞にして、直木賞候補作。

今までまったくホラーを読んだ事がなかったのでこれを機会に読んでみようと思って購入。

一気に読み終えた。

感想としては、「ホラーではない」と思う。

怖さを感じるようなことはまったく無かった。

アマゾンのレビュアーの人たちが言うようにホラーというよりファンタジーだろう。

ホラーの要素を除けばさすがはデビュー作にして直木賞候補になっただけあって面白かった。

いつも展開の起伏が激しいのを読んでいるからこういう淡々とした涼しさを感じる話を読むのは新たな発見が多い。

短編二つとも少年が主人公なのだが、無駄に責任感を感じてしまうところとか、それでも恐怖が先行してしまうところとか少年の微妙な心の動きが鋭く描写されているのもこの作品の注目すべきところであろう。

また私たちの住んでいる世界と並行する世界を描くという現実味がありそうでないという読んでて醒めてしまわない、いいラインをついている。おとぎ話のあの感じである。

読みたい人はホラーの恐怖を期待せずに読んでほしい。

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